温帯に住む農耕民族の日本人の場合、実に95%までが乳糖不耐症と言われている。成人になれば、分解酵素はほとんど働かないと考えてもいい。
ちなみに、韓国人も米国人も、アルコールを分解をする酵素を持っていない人はいないのでアルコールを飲むことが出来るが、日本人の場合は、血液の中に酵素を持っていない人もいる。この人はアルコール耐性がないので絶対に飲めない。このように人種によって、適応、不適応がある。
星氏は次のように述べておられる。
「欧米人の大人だと、1日2リットル以上飲むことができますが、そういう状態の人はもう完全にミルクに依存するようになります。日本人の場合、牛乳はもともと飲んでも飲まなくてもいいようなものですが、飲んだとしてもせいぜい200ミリリットルがいいところでしょう。
牛乳の成分には、約5%の乳糖が含まれていますが、欧米人はそれを平均50グラム分解できます。日本人の場合、弘前大学医学部の研究グループがミルク耐性を調査したところ、乳糖を20グラムから25グラム分解できる人は少ないという結果でした。つまり日本人は欧米人の半分以下も分解能力がないことになります」。
牛乳賛美者に言う。「白人が飲める牛乳は、日本人も東洋人も飲める」というものではない。人種が違えば体の機能に違いがあって当然であろう。
「乳糖20グラムというと、牛乳400ミリリットルにあたるのですが、一度にそのぐらいを飲んだだけで下痢をしてしまうのです。下痢をすると、腸内細菌のバランスも崩れてしまうので腸の働きも弱ってしまいます。よく便秘解消と称して牛乳を飲む人がいますが、不自然で体の為にも良くないのです。
確かに牛乳は牛の赤ちゃんにとっては最良の完全栄養食品です。しかし、その牛の赤ちゃんですが、離乳期以降は「反ミルク体制」が働き、栄養価も下がるために飲まなくなります。ましてや日本人は、圧倒的に強い乳糖不耐症の体質を持っています。赤ちゃんはもとより、大人になってまでも健康のためにと、毎日大量の牛乳を飲み続ける必要性があるのでしょうか。