第29回効果絶大!!健康塾「正しい在宅医療による、平穏死」後編
「総合病院医療」と「終末期延命医療」と「緩和医療」と「在宅医療」
総合病院での「死」を見る機会は多い。死にゆく者がもがき苦しむ現場だけはよくよく接する。すると、「最期はすごく苦しむのではないか」「だから自宅での看取りなどで出来ないのではないか」と思っている人が大半だろう。そして、「先生、死ぬってすごく痛いのでしょう? どんな風に痛いの?」と質問する。
しかし、「在宅医療」を選び、適切な「緩和医療」を受けた患者は、全く痛がらずに死んでいく。そして在宅医は家族から「先生、思ったよりずっと楽に逝きました。痛がらず苦しまず、眠るように逝きました。家で看取って本当に良かったです。ありがとうございました」という、言葉を何度となくもらうという。
いったい総合病院で死ぬのとどこが違うのか。筆者も近頃、ガンで某病院に入院していた親友を亡くした。彼は最後まで苦しんで死んでいったので、その「違い」を深く研究したくなった。そして、どういった選択が正しいのか、おせっかいにも知らせたく思い、今回の論考のテーマを選んだのである。
在宅医の長尾氏は、「在宅医として、ご自宅で平穏死をされた方を見ると、どうやらそれほど痛くはなさそうです。ご自宅の臨終では、苦痛に歪んだ顔をして旅立たれた人を、私は見たことがありません」と自信をもって言い切る。総合病院といったいどこが違うのだろうか?